水やりのコツとは言いますが(特に家庭では? 2021改訂版)ドリップ・点滴灌漑、SIMERUS自動給水の意味

本ページは家庭向けですが、いろいろな方法について、やや詳しく書かれています。

SIMERUS水やりテープなどに代表されるSIMERUSシリーズでは、トマトなどの野菜などの上手な栽培にも”軽く湿らせる”で味のノリなどが過湿の他の方法とは違ってきます。

土壌を健康的に”連続的に軽く適度に幅広く湿らせる”ということが基本になります。コストも手間も最小で! それは大抵の野菜類などの水管理の原則といえるでしょう。シャキシャキになるし、ふやけた感じも少なく、無駄水(肥料、農薬)でにくくなります。同時に水の広がりの両立も十分考えているので土壌自体の肥料分も有効活用できます。

つまり、軽く水ストレスを長期間安定的にかける栽培方法(安定じゃないと枯れてしまう?元も子もない?そこも難しい)ということになるとは言えます。

なお、SIMERUSの特長をはっきりさせるためにも、以下のように他の水やり(潅水、給水)方法ではどうでしょうか。調べてみました。つまり、ここでは、主に”自動水やり”と言われる方法(その問題点)に焦点を当てて書いています。


もう少し詳しく考えてみる

SIMERUSでいう自動調節給水とは (個人向け商品を例に)

まあ、基本的には、SIMERUS製品群はいわゆる毛管水分移動を活用した灌漑・給水方法ではあり、基本乾湿に合わせ自動給水調節されますが、よく言われるほど?は簡単になんでもかんでも安定するわけではありません。

※他社製品で万能的にお書きになられていることには?と思うことは多々あります。

例えば、弊社の個人向けのもので見ると、SIMERUS水やりテープの本来(レギュラー)の使い方で特に言えますが、キャップをゆるめすぎて”暴走モード(そういう言葉はありませんが、、、)”にでもした場合は話は別ですが(言い換えると暴走みたいに急速給水させることもできます)、通常は、”キャップは、固く締めないでちょっと緩めに取り付けておく”というレベルで給水はバランスするでしょうし、この点あんまり難しく考える必要はないと思います。

※普段弊社でもテストなどでそこまで心配して使っていません、それで特段の問題も発生していません

※当たり前ですが、”暴走”といっても1本のペットボトルの容量までです(つまり安心)。

それでも、(下方向に、少量)漏れる場合など、鉢底皿などを併用すれば実用上問題はないと思います。これは、過剰給水で給水が多く、蒸発散が小さいときに(特に室内の環境条件などで)、実際に起こる場合があります。

※楽々底面給水シートの水面設定型(水面を設定するタイプ)としての使い方(SIMERUSの下に水面をセットする底面給水型PETボトル植木鉢等)では、雨でもない限り、原理的に漏水はありません。

追記 楽々底面給水シート(水面を設定しないタイプ)とは、つまりは、”平面的土壌”にSIMERUS水やりテープで給水を行うようなもの

結局給水源のペットボトルがSIMRUS水やりテープ本来の使い方と同じなので、同じように対応すれば実質問題はありません。はじめから、製品の性格として、水面無しタイプはわずかの給水で足りるような植物向け(キャップは締め気味にする、あまり水がこぼれるような使い方はしない、軽く湿らせる)です。


評判が良いといわれていても、各種の水やり器について-どうなのか

1度使ったら後は、使い物にならなくて死蔵・つかえない(笑えない)ものがよく売れている などというと恐ろしくもありますが、それを書いてある掲示板などもありますね。

毎年、植物栽培を新規に始める人が一定数はいるので特に安いものだったら一定量(結構莫大)は売れる…..とは書いてあったりする。

まあ、安価が売りの(自動)水やり器で水やりすれば、夏場だったら、2日もったら万々歳だなあ(つまり2日もたない)という例はりあるにたくさんみかけます。

それなら、じょうろで十分(水やり器もセットする手間はありますし)、元々それだったら要らない・何の意味がある?ということになります。そして来年からは死蔵!。

もちろん、弊社の場合、そうならないように努力を惜しんではいません! 


水やり(水遣り)のコツとはカンタンに言いますが、

”軽く湿らす優しい水やり”は他では難しいのでは?

基本的に個々のバラつきが非常に大きな問題になります。そのため、通常の方法では、もちろん人が気を付けるというのもありますが、

たくさんになればなるほど手間も増えますし、留守時はどうなるかなどなど、自動給水(土壌水分に合わせた)を含めメカにお願いしたくもなるとは思います。

そのような場合、写真のようになセンサーもたくさんの本数が必要ということになります。あと、自動制御のノズルもたくさんいることになります。精度を上げようとすると電子回路もすごいことになりそうです(ロボット作れそう?)。

簡易土壌水分計1個でも結構高価です

※土壌水分のバラツキは結構ものすごいので数は必要ですよ!つまり、IoT化(センサや他のモノ全般のインターネット化)にも課題はいろいろあります。企業栽培等でも最近改めてそれに気づきだした(効果になり過ぎてペイしない)みたいな傾向もあります。


ノズルや電池が足りない、忘れてた、枯れさせてしまう!もうすぐお出かけなのに!これはよくありがちなことですね、まあ、それはクリアされていたとして

他の自動水やりの原理的特徴について(クリック・タップすると拡大画像表示)

ここでは、一般市販タイプのドリップ式を主に取り上げますが、そのほうが弊社製品の特徴もわかりやすくなると思います。

ドリップ式とは、節水とは言いますが、以下は意外に知られていません。

ドリップ灌漑の節水原理ドリップ灌漑の節水困難 プランター

つまり、水がロスするようなものは、夏場など長持ちしないし以下のように外部の環境を汚します(肥料分や農薬分など)。

また、水をロスして下水などに流れるということは、冷却効果も失われるということです(打ち水にもならない)。さらには、

水損失植木鉢アニメーション

猫イラスト 犬イラスト

一般論として、水受け皿・鉢底皿 パッドに水をためるということは、猫も犬もその水を飲めば危険とは言えます。その点は、”飲めないように”注意してあげてください。

留意事項(それでは、特集記事の底面潅水はどうなのか?)

特集記事にあるプランターや植木鉢、ペットボトル式を含めた底面潅水に関しては、基本的に、水受けから連続に微少量を給水し”軽く湿らせる”式で、土壌層の肥料成分や農薬成分などをできるだけ水受けに落とすことを少なく工夫したものです。その点は、じょうろなどで大量に散水するのとは異なります。※特に雨がかかる条件だと異なります。

 


他にも様々なタイプの水やり器があります

ドリップ・点滴の専用ノズルで灌漑(点滴給水)からもう少し広げて、少量給水ができるというものに限っても、いろいろな種類があり特徴も違います。なお、センサ式も理論的限界を含め万能ではありません。また、IoTプラス人工知能(AI)的な対応もいろいろな課題があります。以下主にイラストで示します。

以下は、よく市販されている簡易なタイプです。

※はじめのほうは、特殊親水材から多孔質チューブ(空気が中に溜まる問題も大きい)等に関してです。これらの問題点は似ています。また、簡易なペットボトル給水器を土壌に挿すタイプもあります。結構、基本的なところで無理があります。

左 親水紐・素焼き式 右 穴あきノズル式

給水紐の欠点 穴あきノズル給水器の欠点

親水ひも式と素焼きカップ式はやや似ていますが、素焼きキャップ式のほうは中の水が抜けやすく不安定(水が途切れやすい)、逆に、どちらでも水が大量に出てしまう可能性があります。これらの調整は一般の方にはかなり難しい(プロでも?)と思います。


(問い合わせの多い底面潅水)は ”腰水式”?

底面潅水と呼ばれる各種方法について

弊社製品を応用した方法は、SIMERUS底面給水(潅水)システムと呼び、以下のものとは、水分環境調整機能などずいぶん違うものというのはまずお断りしておきます。

楽々底面給水シート 水面を設定しないタイプ 植生セット 楽々底面給水シート 水面を設定しないタイプ 構造 楽々底面給水シート 水面設定

一般に販売されているものについて言及すると

プランターの底部所々に容器の底の工夫により土の柱をこしらえ、それが底面の水受け水盤につかって底面潅水するというタイプも市販でたくさん売っていますがそれらも含めて、土壌の下端を水盤の水にどっぷりと漬けて毛管上昇給水するものは専門用語的には”土柱法”と言って良いと思います。あるいは”腰水”とも言っているようです

つまり底面潅水と言っても弊社の提案しているものとかなり違うものです。なお、土柱法は、培土の性質で(物理的な理由で)必ずしも水分コントロールが簡単ではありませんし(というより土壌によってもですが”べらぼうに”難しい)根の集中問題も一般に後での対応がかなり厄介な傾向と思います。

なお、弊社の提案する方法でも、記事カテゴリー 個人向け やペットボトル植木鉢栽培の項目に、気を付けるべき点について、いろいろ書いてありますので参考にしてください。

ただし、主にSIMERUSIMERUS水やりテープ他弊社線品を使った各方法にフォーカスして書いてあるものなので、上記などでいうところの”底面潅水プランター等”や”地下灌漑”に当てはまるとは限らないことには注意してください。

ご自身でいろいろ工夫して行うということは結構なことだと思いはしますが、同時にそれなりの注意が必要です。どちらかというと、弊社の提案する方法で土壌水分管理のややこしいところは避けてしまい他のところにこそエネルギーを注いでいただければと思います。

SIMERUS水やりテープのペットボトル植木鉢 スプラウト 栽培ステージごと SIMERUS水やりテープのプランター

SIMERUS水やりテープのペットボトル植木鉢 給水タンク付き栽培 SIMERUS水やりテープの底面給水植木鉢 給水タンク付き栽培

これらも広い意味での底面潅水(底面給水)式ではあります。


弊社の各種記事に大きく関連する節水効果について

じょうろなどの給水が(大変)速い??何それ?意味がわからない? 一般にそう考えられても不思議でがないとは思いますが、

例えば、SIMERUSでの野菜給水で、1日で1株1.0L程度などというのはよく見る値ですが、それは、連続給水なので単純に計算して1時間あたり1株41.7mlの超低速です。それに比べれば、ドリップ灌漑にしても、じょうろにしても如何に給水強度(速度)が大きいかということです。

なお、軽く湿らせるSIMERUSではそんなに給水速度が小さくても大丈夫です。地中からの効率的な給水であるSIMERUSでは水の無駄もほとんどないので植物生育に十分な水分量になります。

そんな少量だと蒸発して消えてしまうから、少量節水はダメという人がいまだにいるかもしれませんが(かなり古典的な知識です)、本法に関しては全く関係ありません。ご心配なく。

個人の感想や感覚的(経験的)には通常のじょうろなどでの水やりの半分の水量で済んでいる感じを受けています。


特に電子制御式で問題になること

タイマー式自動給水器の欠点

水分センサー式の自動給水器の欠点


保水力強化というタイプ

これも実は、難しいです。雨水利用なども含め、土の保水性を活かすというのは実は結構大変です(コストもあるし、条件設定あるし、その結果、世間で思われているイメージほど世界的にもあまりうまくいっているとは言えないです)。

土壌保水材の限界


以下の水やり機器詳細は、当該メーカーなどの資料、HPなどもご参考ください

主に家庭用のものに焦点を当てています。

★水道管(上水道の水道栓)直結(電池式)タイプ★

これらは、散水するのに動力として、水道水圧を利用しているので、当然、水道栓に(開いたままで)接続し続けておく必要があります。

開けっ放し、ちょっと心配?かもしれません。(ワンタッチジョイントなどで水道栓につなげる)洗濯機や専用蛇口の説明書類などでも書いてあることですが、
”使わないときは元栓を閉めておいてください”と書かれていることからもそういえるでしょう。

水道水圧を利用している利点として、ポンプなどに力を取られないので(中のバルブをタイマー制御で動かすだけ)電池が長持ちです。
なお、このタイマー式のバルブでは、(ポンプなしの)雨水タンクなどを活用した給水にはまず利用できません
(水圧が低すぎて内蔵バルブが働かない、洗面についている自動水栓と同じ事情です)。

多数の(給水)ノズルを増設すればするほど、季節や生育の状態によって求める水量の違い、目詰まりする可能性も含めノズル自体の性能のバラツキ、水圧の影響などにより、、個々のノズルごと給水量調節は調節が難しいと思います。
少なくとも全部のノズルでSIMERUSのような軽く湿らせる調整は実質不可能と言えます。
あっちをたくさんにすれば、こっちが少なくなるみたいな現象も発生しやすいのできりがありません。これが一番の悩みの種かもしれませんね。
また、拡張用のノズルが足りなければ当然増設できません。

実際のところ、室内で使うのには無理があります。
結局、ノズルや、タイマーの間隔や給水時間設定で、室内の少ない給水条件に合わせるのは、漏れ出す危険性もあり困難です。欠点とまでいえませんが、基本配管を行って、ところどころ枝分かれ式にノズルを接続するタイプが多いと思います。
そのとき、あらかじめ基本配管のレイアウトをよく考えておかないと後で遠くの植木鉢などに届かなくなります。配管自体の長さが給水のばらつきの原因にもなります。つまり、それなりの計画が必要です。

配管部(チューブ)が直接日射にさらされている場合に、夏季を中心とした時季、
基本的に、給水タイマーは高温になる時間帯に設定しておいてはいけません。
そうするとかなり高温の熱水(チューブ中の残り水)が植物に供給されてしまいます。

水道栓があっても、安全に十分配慮し分岐させておかなければ蛇口はふさがってしまい他に使えなくなります。
つまり、結局、それなりの安全を考えた水道管配管工事をしておかなければいけないということです。

当たり前ですが、水道栓が適当な場所にないと使えない。また、配管は長くなる。
上にも書いたように、水源の水圧の関係から、通常の(ポンプなし)雨水タンクなどに直結しても機能しません。

ノズル(給水ノズル)はいずれ目詰まりするのが普通(いわば消耗品)と考えておくのが無難です。つまり後でコスト高要因と”ノズルが足りない!”原因にもになりがちです。

さらに増設などで新しいものと古いものが混ざると、かなり気をつけて個々のノズルの給水量調整をする必要があります。
水道栓(上水道)直結の場合は、マンションの共同庭などでよく見かけるもの(チューブ状のもの)などがあります。
これは、相対的に目詰まりは少なくなるようには作ってありますが(劣化はそれなりにします)、吹き出し口個々の給水調節は不可能です。
どの場所でも水を足りるようにするには、安全側で考え多量の給水をセットしておかなければなりません。
つまり、場所によっては、ビシャビシャになることを覚悟しておく必要があります。
もちろん、あまり節水にはなりません。

一般市販製品のドリップノズルやチューブでは
タイプにより数シーズン(1年ぐらい)でもかなり水の出がかわります。つまり、ノズルの性能がばらついていると、”個別に調整できる”としているものでも、もともと調整が、簡単ではないのに、さらに調整が難しくなります。

つまり、タイマー式で自動というのはよいとして、
特にお使いの水の水質によっては次の年などに大変なことになります。
なお、洗浄法を明記していないものなどについて、消耗品と考えなければなりません。

なお、プロ(農家など)が使っているものでも、ワンユース(使い捨て、ディスポ)のものがあります。なお、プロ用で洗浄できるタイプといっても結構作業が厄介な傾向です。

★水タンク付きの電池ポンプ式タイプ(タンクを別で用意するものもあります)★

これの利点、欠点も、水道水圧を動力源にしていないこと以外は、水道栓直結タイプと大体同じです。

電池式ポンプ内蔵で水タンクとセット、置き場所の自由度が高く、当然、近くに水道栓が無くても使えます。但し、当然ですが、タンクに補給する必要はあります。
基本的に内臓ポンプをタイマー制御で動かし給水するので、水道栓式と違い、電池が長持ちしません(電池の本数も多くなります)。

タンクからあまり遠くまで給水できないという製品が多い。これには、電池ポンプのパワーなども関係していますのでやむをえないところがあります。

内蔵している電池式ポンプのパワーによって供給量が限定され、実際に接続可能なノズル数は少なくなる。

特にノズルが増えたり配管チューブが長いと、ばらつきの調整が水道栓直結よりもさらに難しい。


SIMERUSだったら

軽くシメラスだから安心・安全(暑い夏、熱い水、熱湯、植物も人も動物もやけど?)

PETプラスチックボトル内や配管内などで熱水になっていても、植物への給水は問題がありません。

その理由は超低速給水だから、給水しているうちに冷めてしまうからです。つまり、周辺土壌と同じような温度に落ち着くからです

<2021年書き直しました>